1時間前の世界

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「見ての通りだから。何しにきたか知らないけど掻き回すのやめて」 愛ちゃんが言う。 愛ちゃんがエンさんの部屋に居て この言葉を聞いて ふたりは付き合いはじめたんだと思った。 まさか、ここでエンさんが 「マツモトサンが好き」 なんて話してくれてるなんて思いもしなかった。 「そういうつもりじゃなくて…お別れ言おうと思っただけなんだけど」 何も知らない私の声が頭上で聞こえる。 「ウソつき。だいたい、なんでわざわざお別れ言うのよ、付き合ってたわけでもないのに」 あんなことがあったなんて全く感じさせない愛ちゃんの声がする。
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