1時間前の世界

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下に着いた時に 「おい!おまえなんでここに」 エンさんの声が二階から降ってきた。 涙が溢れてくる。 あっちの私もこっちの私も涙でグチャグチャだ。 勘違いしたままの私が走り出す。 頭上でも大きな足音が聞こえた。 「行かないで!」 「ちょ、離せよ」 「いやだ!行かないでってばっ!」 愛ちゃんの悲痛な叫び声。 揉み合っていた音が消えた。 すすり泣く声が聞こえる。 「こんなに好きなのに、なんで私じゃダメなの?あの子は逃げていったじゃない」 確かに私はこれ以上傷つきたくなくて逃げた。 愛ちゃんはこんなにも気持ちをぶつけてるのに。
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