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「……まぁ、城内の男手もある程度は確保したいですし、良いでしょう……」
それに便乗しようと動き出した、あと二人に椿はピシャリと言い放つ。
「……男手は二人で十分です。
なので、他のお二人様は楓様のお許しが出るまで、其処できっちり反省なさって下さいね」
椿はニッコリ笑うと、小十郎と佐助を中に招き入れ、扉を閉めるとしっかりと施錠した。
再度閉ざされた扉に暫し固まるも、これ以上騒ぎ立てる事もなく、扉の前に只々座り込むのだった。
そして翌日。
太陽が、ほぼ真上に昇った頃。漸く門戸が開かれた。
我先にと駆け込んでいく二人に椿は呆れた視線を向け、一つ息を吐き出すと、ゆっくりと其の後を追った。
部屋に真っ先に飛び込んだ政宗は、その侭の勢いで楓と桔梗を抱きしめ様とするも、スルリと楓に避けられてしまう。
「悪いけど、触らないで貰える?」
楓の言葉にショックを受けていると、何時の間にか部屋に入って来た椿が、言葉を続ける。
「其の様な薄汚れた姿で赤子に触れ様等、言語道断です!!」
「……早く桔梗の顔を見たいと思うなら、早々に湯浴みでもしていらっしゃい!」
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