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「楓様大丈夫ですか?もうすぐ医者が参りますからね」
それは、ちょうど昼餉前に遡る。
「楓、今日こそ真田幸村とケリ付けて来るぜ!!」
今度こそ、決着を付けたい政宗は、小十郎と兵を連れて上田城に向かう事にした。
「うん!頑張ってね。小十郎、政宗の背中よろしくね」
「無論、承知しています」
「じゃあ、留守を頼むぜ?」
政宗は、楓の額にそっと口付けをすると、素早く馬に跨った。
「Ha!楽しいPartyryの始まりのだ!!」
「Yeah!!」
「Are you ready guys?」
「Yeah!!」
士気が上がった伊達軍と政宗、小十郎を見送った楓は、見えなくなるまで、立っていた。
「ささ。楓様、もうすぐ昼餉ですから中に」
「うん、……ねえ椿……」
「はい?」
中に入ろうとした椿に、楓は呼び止めて、心の中にある小さな不安を口にした。
「政宗や皆は大丈夫だよね?」
どこか不安気で、今にも泣きそうな、楓を見た椿はーー
「大丈夫ですよ、伊達軍は強いですから」
「うん……でも……」
「楓様、あんまり不安になると、体に障りますから、中に入りましょう」
椿が中へと楓を促し、楓が中に入った瞬間ーー
バタッ!!
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