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「ああ。じゃあ、楓は縁側にでも座っていれば良い。
俺が桔梗を連れていこう。」
楓が言えば、政宗が続き、桔梗を再度己の腕に抱え直し、部屋を出ていく。
「って、おいおい!桔梗ちゃんを見に来た俺達を置いていくなってっ」
「そうでこざる。未だちゃんと顔を見ていないでこざる。」
「……ああぁ。俺も行くっスー。」
スタスタと行く政宗を佐助、幸村、鉄心の順番に追い掛けていく。
「ちょ、お前ら!余り騒がしくするんじゃねぇ!!桔梗様がぐずり始めるだろうが!!」
わいわいと賑やかに出ていく政宗達の背を慌てて小十郎は追い掛け、部屋を出ていったのだった。
其の光景を見ながら楓と椿は顔を見合わせ小さく笑いを零した。すると、政宗達が出て行った反対方向から、元親が入って来た。
「よお。やけに賑やかじゃねぇか?」
「あっ元親!!」
久し振りに元親の顔を見た楓は、笑顔で迎えた。
「楓が出産したて聞いてな。ほら、これが出産祝い品だ」
そう言って、元親が担いでいた、大きな一匹の鯛を、ドカッと楓の目の前に置いた。
「わぁ!!大っきいねぇ」
「だろ!楓と桔梗の為に釣ったんだぜ!」
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