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サラリと、知ってか知らないか政宗の名を言わなかった元親、楓もそれには何故か気にもしなかった。
元親と一時話した後、庭に出てみれば政宗を筆頭に、桔梗を奪い合う様に取り囲んでいた。
「ちょいと、竜の旦那。好い加減、桔梗ちゃんを抱かせてよ。」
「あ!某も抱っこしたいでこざる!」
「ーー!何でお前等に桔梗を抱かせなきゃならないだ!!」
絶対に桔梗を渡すものかと振り切ろうとするもの、隙を付かれて佐助に桔梗を奪われてしまう。
「あっテメー、何しやがるっ!!」
「へへ、ああ、やっぱり桔梗ちゃんは可愛いね、大きくなったら、俺様のお嫁さんにしちゃおうかな?」
「佐助!狡いでこざるよ!桔梗殿は大きくなったら、某の嫁にするでこざるよ!」
「お前が言うと冗談に聞こえねぇだよ!真田幸村!!」
「……何をなさっているんですかっ!」
余りのやり取りに、小十郎が間に入り、桔梗を佐助から奪う。其の顔を覗き込めば、ニコニコと笑っており、ほっと胸を撫で下ろす。そして、そっと政宗の腕の中に戻した。
「俺にも抱っこさせて下さいっスー……」
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