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「ん?おや、孔明ちゃん。
久しぶりだね。
でも、今はオイラ使者だから。
また今度ゆっくり話そう」
そう言って徐庶ちゃんが満面の笑みを向けると諸葛亮ちゃんは首を縦に激しく振る。
そして、それを確認した徐庶ちゃんは諸葛亮ちゃんから視線を俺達、いや、袁紹さんに向けた瞬間、先程までの笑顔が嘘だったかのように冷徹な表情へ変わる。
「貴女が袁紹さんかな?」
「え、ええ!そうでしてよ!」
徐庶ちゃんの問いに、さっきまで惚けていた袁紹さんが虚勢を張る。
袁紹さんの気持ちは分からないでもない。
こんなに小さな子供が信じられない目をしている。
冷めた目の一言では収まりきらない色々な物が混じった目。
敢えて一言で言うならば。
まともじゃない。
そうとしか言いようがない。
だけど、俺は1度前にこのような目を見たことがある。
それは以前、黄巾賊の残党が町中で人質をとった事件で、命乞いする残党を雪蓮が斬り殺した時の目にそっくりだったのだ。
俺はその事実に思い至った瞬間、ゴクリと生唾を呑み込んだ。
そして、思わず拳を握り締める。
何故こんなに小さな女の子がこんな目をしなければいけないんだ!
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