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しかし、男は顔色1つ変えない。
それどころか刃を突きつける彼女達の方が顔色を変えるほどだ。
「な、何でや!?
何で刃がこれ以上進まんのや!?」
彼女達は知らない。
この男に、黒田熊熊に即死攻撃が効かない事を。
「悪いが退いてくれるか?
俺は董卓殿に話があって来たんだが」
黒田はそう言いながら、張遼の飛竜偃月刀の腹をコンコンと叩く。
しかし、それに応えたのは呂布だ。
「……帯刀、駄目」
呂布の言葉にしばし間抜け面をさらす黒田だが、軽く頷くと刀を外して呂布に渡す。
「これで通してくれるか?」
「……月に、悪さしちゃ、駄目」
「しないさ。
俺は董卓殿に良い話を持ってきたんだ」
呂布はしばらく考え込むと方天画戟を下ろす。
「ちょっと、恋!」
「……この人、いい人」
「あぁん、恋殿純粋過ぎますぅ」
カオスになり始めた場に張遼がため息を吐きながら偃月刀を下ろすと、お?何だ?下ろしていいのか?って顔をしていた華雄も斧を下ろす。
黒田は董卓の前まで歩くと、いつもの意地の悪い笑みを浮かべた。
「始めましてだな、董卓殿。
俺の名は黒田。
黒蜀が魔王、黒田熊熊だ。
お前ら董卓陣営を勧誘に来たぜ」
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