両雄、会い見える。

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その言葉に表情が冷徹な物に切り替わると、徐庶は声の発生源である曹操に向き直った。 「先に相応しくない、無礼な態度をとったのは貴女方の大将ですが。 それを分かってて言ってるんだよね?」 「ええ、勿論よ。 申し訳無いことをしたわ」 「いえ、此方こそ申し訳ない」 「お愛顧ということで良いかしら?」 「勿論」 (貸しを作っちゃったわね) (え?どういうこと?) 孫策が小声で呟いた言葉に、北郷が疑問を返す。 (袁紹と袁術ちゃん達が挨拶も無しに、話の途中で勝手に出てっちゃったでしょ?) (うん) (しかも理由が功を焦ったから。 それってかなり使者に対して無礼な行為になるわけよ。 もう、ここに集まった諸侯の面目は丸潰れ) (ああ、成る程。 同じように無礼な行為をして煙に巻いてくれたんだ) (まぁ、そういうことね) 北郷が納得しているなか、徐庶と曹操の話は続く。 「我が名は曹操孟徳。 袁紹殿の代わりに私が徐庶殿の話を拝聴させて頂くわ」 曹操の言葉に軽く礼をとり、徐庶は口を開く。 「反董卓連合を解散の上、泗水関より自領に帰還して頂きたい。 もし、泗水関を解放しない場合や、我が領土に進軍してきた場合には、我が精兵をもってお相手する」
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