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徐庶は兵士に連れられ天幕を出ると、表の兵士に預けていた剣を返して貰い帯刀する。
「兵士さん、後は俺が引き継ぐから持ち場に戻って良いよ」
「はっ!ではお任せします!」
声に振り返ると天幕の方から男が近づいてきていた。
爽やかなイメージのとても整った顔つき、絵に描いたような好青年だ。
そして、先程の天幕内で見た顔だと思い至る。
「どちらさんだい?
たしか軍義の場にも居たようだけど、オイラに何のようかな」
「俺は北郷一刀。
ちょっと徐庶ちゃんが気になってさ。
良かったら俺に案内させてくれないかな?」
そう言って振り撒く爽やかな笑顔は見惚れるほどだ。
「……じゃあ、お願いするよ」
笑顔で頷く北郷は徐庶をエスコートする。
そして徐庶は直ぐ何かを思い出したのか声をあげた。
「ああ、聞いた名前だと思ったら天の御遣いさんだったかな?」
その言葉に北郷は苦笑しながら頬を掻く。
「一応ね。
でも、俺自身にその自覚はないかな」
「ふーん」
その返事に感情は見られない。
興味を失った事を隠すそぶりも見せず、徐庶は淡々と足を前に運んだ。
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