両雄、会い見える。

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あの奇計。 王甫が草案し、田豊と徐庶が改良した計画。 その中でも徐庶が使者として実行した事を言っているのだろう。 この一連の計画は董卓軍を傘下に加える事より始まった。 董卓軍が傘下に入ったことにより3都を、しいては小帝と陳留王を漢朝の中核を手に入れた。 ここで小帝や陳留王を殺す事は容易い。 しかし、それでも漢朝は潰えないだろう。 霊帝の血を引くのはこの二人だが、皇室はまだいる。 一番近い血筋だと劉備玄徳が妥当だろう。 と、なれば一時の場しのぎに殺すより、有効的に使った方がましだ。 そこで、小帝と陳留王に他諸官を泗水関に拘留し、それを引き取り自領に帰るよう使者をだす。 この計画においてのポイントは、反董卓連合が実権欲しさに兵を挙げた事だ。 だからこそ、他を出し抜こうと足並み揃わず、勝手に軍を進める者や手柄を横取りしようとする者が出てきた。 そんな時に使者が来て泗水関に小帝と陳留王を拘留していると言ってきたのだ。 結果は語るまでもなく、軍義中に袁紹と袁術が慌てて抜け出したように、次の実権を獲るためにほとんどの諸侯が争いながら泗水関へと向かった。
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