両雄、会い見える。

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今、彼女のその小さな肩に背中にどれだけの重荷がのしかかっているのか。 領地を失い、袁紹・袁術どちらの陣営にも入らず、数万の兵士達を抱え流浪の日々。 反抗の意思ありと、袁紹・袁術の兵と何度も戦ったのだろう。 もう食糧も尽きただろう。 付いてこれなかった兵士達を踏み越えてきたのだろう。 それでも彼女は、彼女達は確かな意思を持ってここまで来た。 「黒田、私が貴方の名前を初めて聞いたのは黄巾賊が蔓延った時期の事よ。 当時の私は賊という獣を自軍に加える酔狂な人物だと思っていたわ。 でも、直ぐに自分の間違いに気づいた。 貴方のしていた事は、元は民であった賊という獣を、兵士という人に戻す行為だと。 その行為は益州の民達に受け入れられ、飢民や流民、義勇軍にと瞬く間に勢力を増やしていった。 その時に確信したわ。 貴方は必ず漢朝の災いになると」 そう言って握り拳に力を入れ、肩を震わす曹操。 その様子からは何度も黒蜀を攻めるように働きかけていた事が伺える。 しかし、ちゃんとした官軍が攻めてきた覚えがない(劉焉軍は討伐軍ではないので除く)事から相手にされなかったのだろう。
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