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「無論よ。勇猛と無謀の違いくらい分かるわ。
先も言ったように貴方に会うために来たのよ。黒田」
「ほう、俺にね。
それは仕官に来たととっていいか?」
そう意地悪く笑う俺に、曹操は薄く微笑む。
「ええ、いいわ。
但し、私の問いの回答次第ね」
その言葉につい頭を掻く。
さっきから会話の主導権が握れない。
これも陰謀蠢く王朝内を生きてきた曹操と、そういう駆け引きを徐庶達任せにしてきた俺との差なんだろう。
「問いはただ1つ。
貴方の王として歩む道よ」
「王として歩む道なぁ」
「そう。
貴方からは道に対する一貫性や、統一性が感じられない。
王道を持って仁義に基づき国を治めたかと思えば、覇道を持って侵略し領土を広げる。
私には貴方の道が見えない。
見えなければ一緒に歩けない。
ねぇ、黒田。
貴方は何処を歩いているの?」
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