政略結婚と、張任の思い出。

9/27
前へ
/223ページ
次へ
高々山賊上がりの軍団が、今では大陸の半分を有する大国だ。 中々に感慨深いものがある。 「思い出に浸るのも構わないけど、まだ大陸統一をした訳ではないわよ、との」 「分かってる。 だが、ようやく準備が整った」 当初の予定とは少し違うが、益州を足掛かりに足元を固め、漢を南北に分裂出来た。 下準備はこれにて終了だ。 今年。 俺が改めた年号『成安』。 意味はそのまま。 『安』らかに『成』る。 ちょっとした願掛けが含まれているが、まぁ年号なんて大体そんなもんだろ。 「それにしても、本当に田豊の言った通り袁紹も袁術も攻めて来なかったな。 国力を貯めてる間に二人協力して攻めて来てたらまだ分からなかったのに」 「との、統一した気でいるのは早いわよ」 「安心しろ。そんな気はない。 少し、不思議に思っただけだ」 田豊は1つため息をついて、口を開く。 「彼女達の性格、考え方を見れば何ら不思議でもないわ」
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2459人が本棚に入れています
本棚に追加