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数日中に、南北漢を平定する為の東伐軍が編成された。
黒田を筆頭に、軍師として王甫、親衛隊を率いる陳岑、前将軍に任じられた張仁、諜報部隊を率いる周倉、精鋭部隊益州兵を率いる陳親子、医療・後方支援部隊を率いる吉平と、20万に及ぶ軍勢が荊州に向けて出陣した。
その一方では、元帥である田豊が董卓軍を率いて洛陽に向かった。
その目的は曹操軍と合流し、北漢を攻め入る機を計るためである。
こうして、西の魔王。
黒田熊熊が遂に動き出した。
荊州に向かった軍勢20万。
洛陽に向かった軍勢10万。
洛陽の曹操軍の軍勢10万。
総勢40万の大軍が今、大陸統一に向けて東へ東へと天高く咆哮を上げた。
◆◆◆
フ水関から少し離れた場所。
フ江の直ぐ近くの低地に黒田軍は野営をしていた。
張仁は天幕で休憩をとる最中、いつものように相棒である大薙刀の手入れを始める。
かれこれ10年の付き合いだ。
思い出すのは10年前、同じくフ江の直ぐそば、張仁も黒田ももう少し若かった頃の事だ。
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