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浅葱も落ち着き、俺に視線を向ける。
俺は息を吐き、暴れ始めた心臓を意識しながらも、皆の顔を見渡し、口を開く。
「盃を掲げろ」
タイミングは疎らだが、全員の盃が掲げられる。
「俺の野望は漢王朝と対立し、この大陸に新しい秩序を構築すること。
その行動は悪と見なされるだろう。
しかし、お前達が助けてくれるならば。
この黒田!
世のために立とう!!
悪と貶されようと!
賊と罵られようと!
俺は決して止まらない!
今、ここに!
黒田軍を結成する!!」
盗んだ酒に、肴代わりの保存食。
場所は掃除も行き届いていない廃屋。
そんな環境で行われた俺達の旗揚げ。
かの有名な桃園の誓い等と比べたら、余りにも貧相だ。
しかし、そんな事は関係無かった。
俺は今日という日を忘れはしないだろう。
中平元年(西暦184年)。
黄巾党決起。
黒田軍結成。
その年、2つの組織が誕生した。
1つは堂々と反乱を興し。
1つは力を蓄えるために、かの地へと赴く。
今、動乱の時が迎えようとしていた!!
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