臥牛山より、安住の地へ。

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「多分、放置状態って所です」 「放置って、自分の領土だろ?」 「殿、容易に想像できます」 そう口を開く崔毅に、確かにと頷く董承、王子服、チュウ輯、呉碩、呉子蘭ら元宮仕え組。 「帝は酒池肉林にふけ、政治は十常侍に丸投げ」 「皇帝は宦官の操るまま」 「宦官を誅滅せんとするものは極刑に処され、官職に就くには十常侍らへ賄賂献金が不可欠」 「賄賂献金は当然彼らの懐に入り」 「その金は民より絞りとった重税で賄われている」 「殿、彼らがまともな政策をするとお思いか?」 つい、確かにと頷きそうになった。 「と、なると不明の場所は統治者がいないと考えていいんだな?」 「はい」 誰ともなく答えられた返事を聞きながら、勢力図のある州に目を向けた。 「皆、出立の準備を」 「哲也殿?」 全く話についてこれない浅葱が思わず声をあげた。 しかし、他の者は気付いた様に頷き、こちらに視線を向ける。 「益州に行くぞ」
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