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「いや、間違ってはおらぬよ」
そう言う水鏡先生の目元は綻んでいた。
水鏡先生が側に置いてあった鈴を鳴らすと、水鏡先生の後ろの扉が開き、水鏡先生に取り次いでくれた少女と、甲冑を纏った少女が何故か号泣しながら立っていた。
甲冑を纏った少女が凄まじい勢いで俺に向かってくる。
警戒して浅葱が剣の柄に手を掛けたとき、それが杞憂となった。
ジャンピング土下座したのだ。少女が。
さすがの俺もあまりの出来事に狼狽えるが、少女は構わず続ける。
グワッと顔だけ上げ涙が流れるのもお構い無しに言い放った。
「何という勇気!
何という侠気!
旦那のその志に惚れたっす!
オレを末席に加えて下せぇ!
旦那!!」
慌て駆け寄って来た、取り次いでくれた少女も甲冑少女の隣に来ると同じ姿勢で俺を見上げる。
「オ、オイラも!!
オイラも末席に加えて下さい」
「お、おう?」
急展開に状況が整理できない。
そこに水鏡先生が助け船を出してくれた。
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