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「お待ち下さい!」
はやる何進に又もや待ったの声がかかる。
無論。曹操だ。
「何だ曹操!
貴様また反対する気か!」
「宦官は昔から居りました。
使いようによっては役に立ちます。
処分するならば元凶の一人を討てばそれで済むこと。
ことさらに諸国の兵を集め都に呼び寄せるなど、猫を追い払うために虎を庭に入れるも同然の愚行。
それよりは諸国の兵を蜀に向かわせ、蜀を討ち滅ぼすべきかと」
「ふん!臆病者めが!」
又もや出された宦官を討つことに対する否定の言葉と、蜀に対する異常ともとれる執着に何進は侮蔑した眼差しで曹操を見下し、罵倒する。
そして、何かに気づいたように嫌味な笑みを浮かべた。
「はは~~ん、わかったぞ。
貴様は確か宦官の孫だったなぁ。
それで宦官の奴らを庇おうって訳だ」
何進は言いたいことだけ言うと、もう用は無いと言わんばかりに曹操を無視し、偽の詔を密詔をしたためさせる。
「大至急四方へ密使を出すのだ」
「「はっ!」」
こうして、宦官討伐の密詔が全国の豪雄たちに届けられた。
◆◆◆
西涼。
辺境の領地を治めるこの董卓の下にも詔が届いていた。
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