間章-都の動乱と単福の過去-

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こうして、董卓を始めとした全国各地の豪雄達が怒濤の如く押し寄せた。 ◆◆◆ その頃、曹操は陳留に帰ってきていた。 何進の言動に怒りを感じたこともそうだが、何より、いよいよ起こる群雄割拠の幕開けに先駆けるためだ。 「桂花!」 「ここに」 「八方に出した間者から連絡は」 「全国各地の豪雄が軍勢を挙げて洛陽に押し寄せてます。それと……」 「それと?」 「南蛮が黒蜀の傘下に入りました」 ◆◆◆ 時は数日前に遡る。 蜀の地。成都城。 夜も更け、月が出始めた頃。 単福は身支度を整えながらため息を吐いた。 「全く、ゆーさまには困ったもんだよ。 陳岑がいるとはいえ、オイラ達3人だけで南蛮に行くなんて」 思い出すのは今朝の謁見。 張任将軍があげた先の戦での功績に、相応の勲功を黒田が与え、その後直ぐに始まった会議で黒田が口走った言葉。 「俺、ちょっと南蛮行って孟獲に傘下に入るよう交渉してくる」 無論。 取り乱したのは黒田至上主義の二人、陳岑と張任だ。 「お、御待ちくだされ!陛下!」 「そうっすよ旦那! そんなこと旦那のするような仕事じゃないっす! どっかの年増軍師に任せればいいんすよ」 「それって、もしかして私のことかしら」 田豊の冷めた声があがる。
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