2459人が本棚に入れています
本棚に追加
こうして、董卓を始めとした全国各地の豪雄達が怒濤の如く押し寄せた。
◆◆◆
その頃、曹操は陳留に帰ってきていた。
何進の言動に怒りを感じたこともそうだが、何より、いよいよ起こる群雄割拠の幕開けに先駆けるためだ。
「桂花!」
「ここに」
「八方に出した間者から連絡は」
「全国各地の豪雄が軍勢を挙げて洛陽に押し寄せてます。それと……」
「それと?」
「南蛮が黒蜀の傘下に入りました」
◆◆◆
時は数日前に遡る。
蜀の地。成都城。
夜も更け、月が出始めた頃。
単福は身支度を整えながらため息を吐いた。
「全く、ゆーさまには困ったもんだよ。
陳岑がいるとはいえ、オイラ達3人だけで南蛮に行くなんて」
思い出すのは今朝の謁見。
張任将軍があげた先の戦での功績に、相応の勲功を黒田が与え、その後直ぐに始まった会議で黒田が口走った言葉。
「俺、ちょっと南蛮行って孟獲に傘下に入るよう交渉してくる」
無論。
取り乱したのは黒田至上主義の二人、陳岑と張任だ。
「お、御待ちくだされ!陛下!」
「そうっすよ旦那!
そんなこと旦那のするような仕事じゃないっす!
どっかの年増軍師に任せればいいんすよ」
「それって、もしかして私のことかしら」
田豊の冷めた声があがる。
最初のコメントを投稿しよう!