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「はぁ。そもそも、との。
南蛮とは一度も交戦した事がないのよ?
あの蛮族達が痛い目もみずに言うことを聞くとは到底思えないわね」
田豊が呆れた様子で諭す。
「だがな、田豊。
無血で済むならそれに越したことはないだろ?」
「無血で済むわけがないから言っているの!
それに、とのにもしもがあったらどうするのよ」
「田豊……」
「監禁してでも止めるわ」
「俺の感動返せ!」
「分かったわ。
足を切断しましょう」
「何がどう分かった!?」
「安心して、との。
とのの面倒は一生私が見るから」
「くっ、一瞬でもいいかなと喜んだ自分が憎い」
そんないつもの漫才を繰り広げるなか、浅葱が天井裏から黒田の隣へ飛び降りる。
「哲也殿、洛陽で動きがあったぜ」
浅葱は諜報部隊を率いており、今まで周辺諸国の諜報活動を行っていた。
今回もその報告である。
「何進と十常侍の間で権力争いが激化した。
当分こちらに攻めこむ様子はないなこりゃ」
「へぇ、田豊の言うとおりになったな」
「軍権は何進が握っているようだけど、この男は所詮肉屋の主人。
人は切れても世の大事は分からないわ。
今の内に足元を固めておきましょう。との」
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