鳶と孔雀スピンオフ小説02『ヒダリテホウタイ』

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『好きな人ができた?』俺は頭の中の俺に問いかける。 『好きな人ができた。』頭の中の俺は答える。 机のライトの光が眩しくて思わず目を瞑った。 大好きなジュースを一気に飲み干し、取りかかっていた漫画を描こうと再び机に向かった。 漫画と言ってもそれは、たかが小学生が描いている漫画。絵もストーリーもグチャグチャだ。 それでも、小学生の俺には“コレ”しかなかったのだ。 右手が鉛筆で真っ黒になり、机の上は消しゴムのカスだらけ。 友達はいたけれど、一人の時間がなにより大好きだった。そんな小学生時代。
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