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私と陽平は同じ社宅のお隣同士で、物心ついた頃から兄妹のようにいつも一緒に過ごしていた。
夏休みも、仕事に追われる両親が「どこにも連れていってあげられないから」と、私の祖父母のいる田舎へ2人で滞在する…というお決まりの過ごし方。
小学生に上がってすぐの、あの夏も、そうやって過ごしていた。
アオイちゃんと出会ったのは、あの夏が初めてで、そして最後になった。
田舎の子、とは言い難い白い透き通る肌の綺麗な子だった。
おままごとも知らない…
今思えば、あまり同年代の友達と遊んだことがなかったようで、私と陽平に半ば引きずられるようにしていたのを、今でも鮮明に覚えている。
今でもこんなにあの夏のことを覚えているのは、
きっと、
アオイちゃんとだけでなく、陽平とも疎遠になってしまったからだろう。
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