第1話 はじまりの朝

2/20
前へ
/77ページ
次へ
――――――――…… 「そうちゃん――… こっちだよ――…」 少女は少年を置いて走って行く 少年が走っても走っても少女に追いつくことはない 「ま、…待って……… ――――――ちゃん」 少年は、疲れたらしく立ち止まり肩で息をする 「もう、そうちゃんは体力がないね あ…………今日はもう帰ろうか 早くしないとあの人たちが来る ……………行くよ、そうちゃん」 そう言って少女は少年の手を引く 少年は少女に手を引かれるまま少女について行く ――――――――――――…… そこで目が覚める 「今のは…昔の記憶……?」 彼は呟いた それは彼らが失った昔の記憶 少女は少年の手によって殺され、少女が居たと言う記憶は少女の手によって消された 二度と、この地に帰ってこないと誓い少女は少年の前から姿を消した そして、少女が姿を消して10年―――… 彼らは今――――…?
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加