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――――――――……
「そうちゃん――…
こっちだよ――…」
少女は少年を置いて走って行く
少年が走っても走っても少女に追いつくことはない
「ま、…待って………
――――――ちゃん」
少年は、疲れたらしく立ち止まり肩で息をする
「もう、そうちゃんは体力がないね
あ…………今日はもう帰ろうか
早くしないとあの人たちが来る
……………行くよ、そうちゃん」
そう言って少女は少年の手を引く
少年は少女に手を引かれるまま少女について行く
――――――――――――……
そこで目が覚める
「今のは…昔の記憶……?」
彼は呟いた
それは彼らが失った昔の記憶
少女は少年の手によって殺され、少女が居たと言う記憶は少女の手によって消された
二度と、この地に帰ってこないと誓い少女は少年の前から姿を消した
そして、少女が姿を消して10年―――…
彼らは今――――…?
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