小麦粉MEMORIES

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「飲み物なんて持ってねぇよ……買う金もねぇしよ……」 「ふふふ……そんな貧乏な菅原君にいい物を見せてあげよう……」  田村がふふふと笑みを浮かべている。いつにも増して不気味な顔をしている……。キモい……。 「んで……何だよ、いい物って」 「ジャーン!!! これが目に入らぬかぁ!!!」  田村が勢い良く俺の目の前に突き付けてきた物、それは…… 「け、携帯電話!?」 「ピンポーンッ! しかも今話題のスマートなフォンだぜ!」  なっ、何だよこれは……!!! こんなん見たことねぇ……。こんなちっちゃな薄っぺらい物で電話出来るのか!?  俺は驚愕していた。何故なら俺は携帯電話など持っていないし、実際見たことも触ったこともなかったからだ。初めて見る携帯電話……しかもスマートなフォンときた!!! もうハァハァ状態だ……!!! 「おっと菅原君触るなよ、貧乏が移る」  …………。  俺はこの時少しだけ田村に殺意が沸いた。
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