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俺達の方に向かって歩いてくる粉ふきじいさん。
その間も顔や腕から白い粉が吹き出ている。
粉ふきじいさんは黒い服を着ているのだが、白い粉のせいで所々が白くなっている。
俺達の前に立った粉ふきじいさんは口を開く。
何を言われるのか固唾を飲んで俺達は身構えた。
粉ふきじいさんの言葉は意外なものだった。
「風呂に入らせてくれ」
はいっ!? 風呂なら自分の家の風呂に入れよ!!!
俺が心の中で密かに突っ込むと、粉ふきじいさんは話を続ける。
「ワシの家には風呂がなくてな。かれこれもう5ヶ月風呂に入ってない。だから貸してくれ」
俺の突っ込みを聞き取ったかのような言葉だった。
必死に断ろうとしたのだが、あまりにしつこいため、仕方なく風呂を貸すことになってしまった。
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