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「やっぱり、お前だったんだな」
周りのクラスメイトはさっき付いた嘘のせいか、冷ややかな視線を送ってくる。
ちょ、怖い。
「いやー、それは……」
クラスメイトの視線に耐えられず目を反らしながら必死に逃れる言葉を探す。しかし、ない。
すると、三咲が
「うん、これがさっき前で言ってた拓海だよ。彼は部活を作るから何かあったら手伝ってね?」
っと、言った。
その言葉で顔を赤くしてる我がクラス男子生徒たち多数がいる。
今更だが、三咲は容姿が悪いわけじゃない。寧ろ平均よりは確実に上をいってるだろう。だが、中学ではあまり告白はされていない。
何故かは……まぁ、察してくれ。色々と合ったんだよ。色々とな。
「じゃ、拓海また後でねー」
言うだけ言って、三咲は教室に駆けて行く。呼び止めようとしたが、クラスの男子に阻まれた。
おい、邪魔するな。今、アイツとは大切な話があるのに。主に俺の高校のシナリオが決まる様な話。
「おい、拓海……三咲四季さんとは……その、付き合ってるのか?」
また、その話か。
俺は中学一年生を思い出す。あの頃はやっと異性を皆が意識し始める時期で、三咲との関係は別の小学校の奴らとかにからかわれた。同じ小学校の奴らも多少は聞いてきたが、元から仲が良すぎ為に大丈夫だったなぁ。
あの時の誤解は解けたのか分からない。そのせいかは知らんが彼女居ない歴は年齢だ。
別に俺としてはどっちでも良かったんだがな。特別、彼女が欲しいとはあの時は思わなかったから。
「いや、付き合ってねーよ。ただの腐れ縁だ」
俺は男子生徒たちに真実を述べてやる。すると「よっしゃー!」と歓喜の声が漏れてくる。
おいおぃ、そんなに嬉しかったのかよ?
男子生徒たちの歓喜の声は続き、慌ただしい周りに囲まれながら教室に辿り着いた。
この調子なら、三咲四季ファンクラブなんて、馬鹿げた部活が出来てしまうかもな。
いっそ、その部活を作ってやろうか?アイツも望んでたからな。
なーってな。
んな部活は死んでも作りたくない。
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