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「…桜井さんの密命付き…」
やはり貧乏くじだった。
「さて、サクッと全部吐いて楽になりましょうね」
笑顔で話す容赦ない香澄の追加尋問タイムは始まった。
10分に渡る尋問の結果を要約するとこうだ。
方法論を無視して、感情論で戦えとしか指示しないアホの極みの上層部。
そして上層部直轄で飾りとなる狙撃隊。
前線に出てくることの無い守備に特化した狙撃部隊に腹を立てた桜井さんが一計講じて私達に教官としてネジ込み、使える兵士をピックアップ指示。
ピックアップした狙撃ペアを言いくるめて上層部から強奪して前線で活躍させようという事のようだ。
アホな上層部と無茶な上司と勘の良い部下のサンドイッチに、サンドバック状態の由宇。
由宇の状況は察して余りある。
そして、辞令の前に拒否権は無い。
一通りの確認が終わると、私にはこう呟く位しかできる事は無かった。
「…私達は不幸だ…」
その一言に私、香澄、由宇は脱力し膝をついた。
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