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教導隊
貧乏くじと世界の中心で叫んでも事態は変わらない。
そして、辞令の時刻は迫る。
3人は教導隊訓練所への連絡トラックがあったため、最低限の荷物を持って同乗させてもらう。
1時間後、3人は訓練所の門前にいた。
右を見ると香澄が…
左を見ると由宇が…
たぶん、私も2人と同じ表情だろう。
顔に書いてある。
…面倒だなぁ…。
…気持ちを切り替えるしかないなぁ。
両手で頬をパシッと叩き気合を入れる。
叩く音に2人は反応し、気持ちの切り替えになったらしい。
「…行きますか…」
由宇がそう呟き、重い足取りながら歩き出す。
向かう先は、教導隊の隊長室。
3人ともここの卒業生。古巣は覚えている。
そして、この隊長の存在も。
「よく来たなアホども。間抜けも極まり、ついに前線からも追い出されたか?」
笑顔で酷い事を言うのは、教導隊の隊長であり、私達の教官だった人だ。
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