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「狙撃隊として機能させるには、ヒヨコをまず狙撃手と観測手に分けないといけないなぁ」
由宇の呟きは的を得ているが、そのどちらも由宇向きの指導ではない。
「まずは、適正を見て訓練生を振り分ける。んで、私が狙撃手の狙撃要領を教えて、香澄が観測手の要領を教える。由宇は指揮官視点からの全般指摘って役割でどうだ?」
「無難な線ね。というか、この3人で部隊として教育するならそのプランしか無いかな」
香澄は問題ない様子だが、由宇は少し考えているようだ。
「プランを追加するなら、一定期間毎に狙撃手と観測手の合同訓練を組むって辺りか」
…部隊として教育するなら確かに連携は必要な項目だ。
こういう原点を忘れない辺りが由宇の怖いところだなぁ。
「確かにそれは必要だなぁ。」
感心した私を眺めていた由宇は言葉を繋ぐ。
「んじゃ当面は適正判断ってことで行きますか」
そう言って由宇は全員の伝票を持って会計に行ってしまった。
こういう自然に動く小技も由宇の怖いところだよなぁ。
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