教導隊

5/5

92人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「狙撃隊として機能させるには、ヒヨコをまず狙撃手と観測手に分けないといけないなぁ」 由宇の呟きは的を得ているが、そのどちらも由宇向きの指導ではない。 「まずは、適正を見て訓練生を振り分ける。んで、私が狙撃手の狙撃要領を教えて、香澄が観測手の要領を教える。由宇は指揮官視点からの全般指摘って役割でどうだ?」 「無難な線ね。というか、この3人で部隊として教育するならそのプランしか無いかな」 香澄は問題ない様子だが、由宇は少し考えているようだ。 「プランを追加するなら、一定期間毎に狙撃手と観測手の合同訓練を組むって辺りか」 …部隊として教育するなら確かに連携は必要な項目だ。 こういう原点を忘れない辺りが由宇の怖いところだなぁ。 「確かにそれは必要だなぁ。」 感心した私を眺めていた由宇は言葉を繋ぐ。 「んじゃ当面は適正判断ってことで行きますか」 そう言って由宇は全員の伝票を持って会計に行ってしまった。 こういう自然に動く小技も由宇の怖いところだよなぁ。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加