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既に香澄は答えあわせをしている。
私の方は回答を聞きながら、当たりをつけている。
「俺からすれば、香澄の問題はわかったが朧のは正解がわからない」
そういう由宇をよそに、香澄は会話に参加しないところをみると正解が判っているようだ。
「んーー。かもしれんね。でも狙撃手の理解度が高いのが数人いるのがわかったダケでも収穫やね」
そう言って、メモを覗く。
由宇は、まだよく分からないという顔だ。
「例えば、葛西ってのが答えた残忍性・メンタルコントロールとか、倉橋ってのが答えた集中・非集中の切り替えとかってのが、求めた正解だね」
その回答でピンと来たようだ。
「集中力や忍耐力なんてものは後付できる。邀撃の際に使うキツい手にどこまで耐えられるかを聞いてみたんだよ」
正直言って、今の俺はまともな顔をしてないかもしれない。
この前の件を思い出しているから。
香澄も私のそんな表情に気づきつつも気づかない振りをしてくれている。
「なるほどなぁ。とっさに良くそんな問題作ったなぁ。さすが狙撃ペア」
そう言って由宇は自然に、場の空気を変える。
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