戦場の方程式

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園児虐殺という事態を部隊中に知られた岩沼は立木大隊長に、朧の独断と罪を被せる暴挙に出た。 そして、朧は拘束された。 …あの3日目の夕方に何故あたしがあんな行動を取ったのか、今でも判んないなぁ。虫の知らせという奴かな… そして、あたしの秘策が朧の危機を救った。 命令開始から3日目の夕方。 あたしは初日の岩沼の舌打ちと、今日の射殺が無いことから、岩沼の迫る期日からの暴走を懸念していた。 夕食の時間帯、あたしは無謀にも、第18中隊の隊長室にいた。 横には第181小隊長となっていた由宇がいる。 由宇のツテで上野大尉との面談を願い出た。 予定の時間になると、上野大尉は隊長室に現れ、あたしは現在行われている作戦について説明した。 既に一般人の射殺も行われている事実に上野大尉は眉をひそめる。 非戦闘員への戦闘行為は重罪だ。 その際に使用しているのが対物マテリアルライフルである事を告げた際には、上野大尉も口を手で覆う。 結果を想像できてしまったのだろう。 今夜の作戦には、今以上の暴走が懸念されると不安を相談すると、上野大尉は軍警察による尾行状況把握を約束してくれた。 そして、軍警察はその夜の全てのやり取りを把握していた。
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