スポッターの役目

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「ん?そういえば、岩沼はどうするんだ?」 私の疑問はそのまま、由宇と香澄に向けられる。 あの独断専行はさすがにフォローできない。 狙撃手としての慎重さにも疑問が出る。 「あれは、俺らが舐められた事で軽く見た結果ならば、鼻っ柱を折ってやれば良いとは思うが、自分の理解を超えるものについての任務不服従が常習化しているのであれば、すぐにでも兵隊を止めるべきだな。二人はどっちだと思う?」 私の疑問に更に由宇が疑問を重ねるが、判断基準を作りたいようだ。 香澄には既に判断が付いているようで、言葉はすぐに出た。 「問題は消した跡があった。一応解いた感じなんだけど、消した意図が読めない」 悩みどころね…と言葉が続いた。 「結論を急ぐより、期間を設けて様子を見よう。問題は解けていたのであれば観測手として教えるとして、私達が軽く見られている状況は、訓練としては教えても真面目に聞かないかもしれないからマズイ」 そこまで私が言うと、由宇が言葉を繋ぐ。 「俺らが軽いかどうかを判らせる必要があるな。専攻希望を聞いた後にでも、ヒヨコと模擬戦でもしてみるか?岩沼みたいに正面きって言うのは少ないが、影で考えているのは多いだろうし」 …由宇も舐められている状況は面白くなかったんだな… 「なら、由宇は葛城さんに許可取ってきてくれる?あたしと朧で希望専攻を聞いておくから」 結論は出た。そして、由宇は葛城さんの部屋へ走っていった。
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