スポッターの役目

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休憩時間も終わり、私と香澄で希望を確認していると、由宇が葛城さん所から戻ってきた。 …早っ…由宇、早っ… 由宇はハンドサインでGOを示す。 気付いていない香澄に肘で突っつき、由宇のサインを教える。 本人達の観測手希望と狙撃手希望はおおよそ私達の予想通りだった。 無論、岩沼の希望も。 「さて、岩沼君。君には特別メニューを予定していましたが、あたし達で相談した結果、今回に限り特別に免除とします。 諸君らの現時点での実戦力を把握したいと思います。 また、友軍戦力・能力把握は、どの戦場に於いても重要です。諸君らも周囲の人間の能力を把握するように。 …模擬戦を実施します」 そこまで香澄が言うと、ざわめきが辺りを支配した。 暗に言っている、俺らの実力を疑うなら見せてやるという意図は確実に伝わっている。 「使用弾頭はペイント弾ですが、通常炸薬を使用します。防弾スーツを着用し、あの森林地帯を使用します。 詳しい内容は石井少尉に説明を任せます」 …私に振るか… 「使用する弾頭はペイント弾という事で、木の葉なども実弾では大した障害にならないがペイント弾では障害となります。 射線の確保はより難しいでしょう。」 そう言って周りを見回す。 「これからペアを発表するので群れるのは自由ですが最少人数としてはそのペアで行動してください。 まぁ相方が撃たれた場合は別としますが」 この最後の一言は、売られた喧嘩に対する煽り文句。 「模擬状況は片瀬中尉と私と浅井少尉の3人が拠点殲滅分隊として進軍してきたのを、諸君ら訓練生15ペア30人が迎撃します。」 そして、ルールは必要だ。 特に遊びには。
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