92人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
それを煽るのは私の役目。
「私が及第点を与えるとすれば、その2名だ。あとは、現時点で落第点。
豚をおだてて空を飛ばさなきゃならん気持ちだ」
ワザとらしいため息と共に煽りを入れると、殺気は更に増す。
「斉藤と大橋はリアルな死体を演じた辺り、兵隊より役者になるべきだな」
…いつか後ろから撃たれそうだな…
由宇は手の挙がらなかった28名に、撃った距離と問題点を伝えていく。
「さて、本日の結果から各自の問題点が明確になったと思う。
その点に重点を置きながら今後の訓練を実施する」
由宇がまとめに入るが、駄目押しが必要だと私に視線を送る。
…あぁいいさ、徹底的に鞭になってやるさ…
「己のダメっぷりを反省するように。
可哀相なのはダメダメなお前らを一人前にしなきゃならん私達だから勘違いしないように。
無能な仲間は有能な敵より危険だから、目に余るようなら、そのうち後ろから撃つので安心して死んでくれ」
そう言って、思いっきり嫌味な笑いを浮かべた。
…まだ、殺気が足りんな…
「まぁ、その飾りになっている頭を、もうチョイ使わないと、いつまで経っても反省は出来ないか…
ゴメン、お前らには反省なんてハイブロウ過ぎた。
明日からは箸の持ち方から教えてやらんとな?」
そう言って、がっはっはと笑う。
…なんか、キャラじゃねーなぁ…
…まぁいい感じに殺気も増したし良しとするか…
場のテンションが目標値に達したのを察した由宇が今度こそまとめる。
「では、午前の訓練を終了する。休憩を含み、午後は13時にここへ集合。以上」
…疲れた。慣れないキャラは果てしなく疲れる…
最初のコメントを投稿しよう!