92人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
狙撃有効距離
ここは喫茶室。訓練生も休憩している。
模擬戦以降、岩沼含めて訓練生に変化が出てきた。
香澄に対する質問の量が日に日に増えてきた。
地形による注意点、天候による観察点、追跡に関する観察要点。
質問に対する回答と、香澄による観測手と狙撃手の連携に関する知識を教えられていた。
また、私の教官としての立ち位置についても、全訓練生に説明されたようだ。
香澄には鞭の存在を知られるのは、訓練に悪影響と諭すも、香澄は聞き入れない。
「なぜ、私の事を話す必要性がある?不満を溜め込ませるのが私の役割で、香澄には香澄の立ち位置がある。
今は反骨精神が必要な時期じゃないか。由宇からも香澄を説得してくれ」
現に、あれだけ挑発しておいた岩沼は私に狙撃手からの観点で観測手に求める情報を聞きに来ていた。
訓練開始から3ヶ月、この状況はまだ時期が早い。
最初のコメントを投稿しよう!