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「常人とは朧の感覚が違うの。あたしも由宇に聞かれてこの間知ったんだけど」
…仮にそうだとしても、必要なくなる成果にどう繋がるかが判らない…
「俺は決めた。朧の事を天邪鬼から改訂する。天然だ」
由宇はワザワザ頭を抱えて何を決めてるんだ?
「前から少し変だとは思っていたが、どこの世界にアサルトライフルで700m狙撃を決める馬鹿が居る?」
…馬鹿?…
「頭フル回転させて計算して、根性で狙えば分野の違う兵は別としても、狙撃兵なら」
「居るかそんな腕の狙撃手がポコポコと」
怒鳴る声が辺りを染める。
「怒鳴るなよ。まるで私が電波な事でも言ってるように聞こえ…」
「既に言ってるという事にまだ気付かないか…天然恐るべし」
「あたしは怒鳴る気力も失せた」
…妙だ…1500m程度でここまで言われるとは…
「ベイラート兄弟の狙撃ペアは2400mの…」
「だからドアホと言うんだ!ベイラート兄弟のその狙撃は減音器なしで、山のような観測機器を使用して風速から距離から気温から気圧や湿度から全て測定した上で弾道計算コンピュータまで使用した結果だ。
朧のように、減音器付けた上でスコープと計算と勘で撃ったのとは全然別物だ」
「どんな狙撃支援上での狙撃と比較してるの?
あたしは朧がそこまでアホとは思わなかったわよ」
…香澄も由宇も酷い言い様だ…
「で、それが必要なくなる成果にどう繋がるんだ?」
…繋がらない言葉遊びは既に飽きたぞ私は…
「更に察しも悪いか…天然な上で鈍感…最悪の組み合わせだ…究極のKYだ」
…KY…空気…読めない…酷い評価だ…
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