とある戦場

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確保した廃墟では既に簡易警報装置の設置を含めた拠点としての準備が完了していた。 私達を待っていたのだろう。 やや、茶色掛かった髪の小柄な男の由宇は私と香澄を迎えると、言葉を繋ぐ。 「今日はここで野営とします。二人は疲れただろうから、今日は休んでくれ」 そう言ってウィスキーの瓶を渡す。 「一樹には内緒だぞ…。全部飲まれるからな」 そう言って渡された瓶は、もちろん軍規違反。 作戦中は禁酒と相場は決まっているが、軍規なんぞ糞食らえな小隊長には関係ないらしい。 「ありがとう。大事に飲むよ。香澄も一緒にやらんか?」 そう言って瓶を掲げると香澄は微笑んだ。 「飲まない訳ないじゃない」 私と香澄が一口ずつ飲んだ直後には、匂いにつられた一樹に見つかった。 …魔法のように一樹の手に移動した瓶が空になるには1分も掛からなかった。 「…っぷはっ、うめぇ!最高!」 瓶ごと一気かよ。 まぁ一口でもありつければ良しかな。 香澄も由宇も同じ事を考えていたらしい。 香澄と一樹と由宇で笑っていた。
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