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辞令交付
翌朝、後任の第13中隊が到着し、簡単な引継ぎをすると守備隊としての任務は終了した。
司令部からの呼び出しがあり、次の任務についての説明を受けることに。
司令部から直接指示って、次の指令は何だろう?
普段であれば、中隊長の執務室に呼び出しがあるはずだが、今日は違う。
そんな事を考えながら由宇は司令部へと足を運んだ。
司令部のドアをノックする。
「第181小隊 片瀬中尉、入ります」
返事を確認し、ドアを開けると応接テーブルのソファーに桜井大佐がいた。
ソファーにはもう一人…。
誰?とは顔に書いていたが、直立不動で、言葉を待つ。
「片瀬中尉、座ってくれ」
桜井の言葉に、促されるままソファーに腰掛ける。
「片瀬君は初対面かな。こちらは、新垣大佐だ」
…ヤバ。
急遽立ち上がり、敬礼をする。
「片瀬中尉です。よろしくお願いします」
軍隊に於いて階級は絶対的な破壊力を持つ。
中尉と大佐…この差は石とミサイル程の差があるだろう。
階級章を付ける習慣が無くなって、階級の判断が難しくなった典型的な状況だ。
軍規糞食らえと豪語する由宇でも、地雷を好んで踏みたがる訳ではない。
そんな行動に桜井と新垣は苦笑いを浮かべつつ、桜井が言葉を繋げる。
「硬くならなくていい。次の任務は特にない。休暇と思ってくれ」
???訳が分からない。次の作戦説明と聞いていたが?
由宇は自分の耳を疑った。
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