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今回、由宇の立てた作戦は、作戦ではなく思い付きの領域だとは思う。
私でさえ、以前考え付いた事のあるものだ。
…機動狙撃殲滅隊…
名前を付けるとした場合、その名だろう。
身を隠しバレないように気を配りつつ、敵を狙撃する本来のスタイルとは全く違う。
射程のギリギリまで機動力のある車両で移動し、射程ギリギリの敵を殲滅しつつ前進していく。
ヤバくなったら車両に乗り込んで全力で逃げる。
部隊全体に絶対的な射撃能力が必要とされるので、実現はほぼ不可能だろう。
そう思っていたが、今の兵力と残された時間では、これしか可能性が無い。
横を見ると、運転する香澄もこちらを見ていた。
「なんだい?香澄も緊張してるかな?」
「朧もでしょ?軽車両での狙撃作戦って朧が前に考えて由宇に冗談半分で言ってたのじゃない」
「やっぱり覚えてたかぁ。問題点も?」
その問いに香澄は沈んだ表情で答えた。
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