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ボルトを操作し次弾を装填すると、排出された薬莢をポケットにしまいつつ、呼吸を整える。
他に敵が居ないと判断し、私と香澄の軽車両は微速で前進する。
…50m位進んだか?…
そこで、停車する。
香澄は暗視装置を外すと、光量増幅装置つきの双眼鏡に切り替える。
「2時方向1240m2名?」
人数までは判断つかないらしい。
私はVT-10を構えると、スコープを覗く。
「確かにデブが2匹だな。あの大きさだと、3匹と勘違いする」
そう言って狙いを定めると…
…眼が合った?…
…クソッ狙撃ペアか…
「狙撃ユニットだ。1発撃つと同時にエンジンかけて10m移動」
この場合、狙うは眼のあった観測手。
観測手の管理する無線機は厄介だ。
敵部隊内で知られなければ、それだけ動きやすい。
僅かな動揺を感じつつも、心を落ち着かせる。
横にいる狙撃手が慌ててこちらに銃を向ける。
…遅い…
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