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微速前進を続けていると、ようやく領域が出来上がる。
そう、12時方向500mに装甲輸送車が見える位置まで移動できたのだ。
香澄は停車させると無線のスイッチを入れる。
「浅井より軽車両部隊へ、領域確保、あたしの位置まで前進せよ。
繰り返す。絶対聖域確保!」
その無線を聞き、臼井達から順次了解の返信が届く。
3分後には全ての軽車両が到着していた。
「石井より軽車両隊へ、私は領域を広げる為に少し前進する。
軽車両部隊は本位置をキープ!死守する事。以上だ。」
私は無線で軽車両隊に告げ、不安を取り除く。
その後を繋ぐのは香澄の役目だ。
「この作戦は成功する。
基地に帰ったら全員にビールを奢ってやるがビールで溺れるな。」
不安を取り除くのが私の役目なら、煽るのは香澄の役目。
無線に笑い声が返ると、続けて連絡を入れる。
「浅井より片瀬中尉へ、軽車両隊は領域確保。
兵員輸送車隊は軽車両隊位置まで前進。
あたしと石井はこの後200m前進し、領域を広げる。以上、連絡終わる」
返事は待たず、そのまま微速前進する。
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