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休暇?
疑問が顔に出ているのは自覚している。
「といっても、休暇は一部を除いてとなる。そう、石井少尉と浅井少尉と片瀬中尉は別任務がある。」
…貧乏くじか…。
そう思ったのは由宇に責任があるわけではない。
「そうがっかりするな。安全さ」
桜井は言葉を続ける。
少しホッとしつつも、次の新垣の言葉で固まった。
「教導隊の応援をよろしく」
…はい?…
たぶん、自分の顔には疑問符が山のように書かれていたのだろう。
新垣の言葉が続いた。
「新たに、狙撃隊を編成することになってね。君には石井少尉と浅井少尉のフォローをお願いしたい」
…まじ?…
更に新垣の言葉は続いた。
「1300時をもって、第31教導隊へ一時転属とする」
…辞令交付ですか…。
…逃げられないのですね…。
表情に出ているのだろう。
桜井はニヤッと笑って一言追加した。
「よろしく!」
そこから先は呆然としながらも、染み付いた軍隊生活の習性で、ほぼ無意識自動的に手続きを確認し、退室した。
納得のいかない俺は、今回の指令の情報を探った。
そして得た事実に愕然としながらも、別のことを考えていた。
…朧と香澄になんて説明しよう…。
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