作戦開始

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「わかればいいのよ。ったく学習能力ゼロなんだから。 あたしを怒らせると怖いって学ばなかったの?」 負傷者を無表情で蹴り続ける香澄はの恐ろしさは今まででダントツに怖かったなぁ。 「サボってないで撃て。12時1050m1人」 …やれやれ… 私は銃を構える。 ボルトを引く右手は、既に感覚が鈍い。 血を流しすぎている。 …構うもんか… 痛みなど考えない事にした。 狙って引き金を絞る。 狙いは外れて敵の肩に着弾。 「下手くそ。腕が落ちたか?まぁ肩の仇を取ったとでも思えばいいんじゃない?」 容赦ない香澄の呟き。 「聞こえてるぞ。肩を撃ち抜かれてこの結果なら及第点だろ。真面目に撃つ気が萎える。ったく。次!」 「毒吐く余力があればまだ大丈夫だ。 道連れは多い方が楽しいぞ。ほら、10時1020m1人」 狙おうとするが、既に右手は上がらない。 左手でボルト操作し、次弾を装填すると構える。 …?… 「おりょ、2人いないか?」 そう言うと、香澄が再度双眼鏡で確認する。 「いや、1人だ」 「うはぁ。来るとき来たかぁ?」 血が足りてない。 「香澄は右と左どっちだと思う?」 「左」 左の人間に狙いを定めて狙撃する。 スコープの中で倒れるのを確認する。 「正解!由宇の言ってた勘ってのは馬鹿にできんな。次!」 「アホか。1時1030m1人たぶん右!」 既に、2人にしか見えないスコープの中で、狙撃を繰り返す。 今度は、外れたようで、慌てて隠れている。 「スカ!正解は左でした。っと。尻隠して頭は隠してないな」 再度、狙いをつけて、狙撃を再開すると、今度はヘッドショット。 律儀に、香澄は薬莢を拾い続けながら、索敵は継続している。 右手が使えない状況では、狙撃効率も落ちる。 徐々に接近を許してしまう。 「1時420m1人!」
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