RTB

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…なんだ?正直、気持ち悪いが?… 横を見ると香澄も同じ意見らしい。 由宇のウィンクにゲッソリとした表情を浮かべている。 「浅井少尉と石井少尉の罰はそうだなぁ。 臼井と三島の謹慎中に払う経費をお前さん達が払う事」 …?何だそりゃ?… 私もそうだが、香澄もその罰則の意味がわかっていないので、不思議な顔をしている。 「他の皆は、今回の作戦の成果に満足した葛城少佐から、2日間の特別休暇が与えられる。 さて、自室謹慎ではなく単なる謹慎処分となった臼井と三島は、命令違反で仲間を危険に晒した自戒の念から自費で皆にゴメンなさいパーティーでも開きたくはならんか?」 …読めた… なんちゅうアホな処分だ… 「香澄、由宇にハメられた…」 謹慎中の経費に自称『ゴメンなさいパーティー』の飲食代も含まれ、それは、他の誰から見ても『祝勝パーティー』だった。 そして、その浅い芝居の隠した意図に、ようやく気付いた皆からは歓声が上がっていた。 臼井と三島の実質上の罰は、一発ぶん殴られただけで終わった。 由宇は、香澄と私をチョイチョイと手で呼ぶと、こっそり告げた。 「そんなジトーッと見るなよ。 こんな運と勘でしか乗り切れない作戦を立てた俺と、無茶無謀自殺行為な命令を出した葛城さんも問題ありなのは自覚してるんだ。 経費は4人で分担だ」 そう言って、皆で笑った。
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