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妖怪。
それは古今東西から日本に親しく、同時に恐れられて居るモノ。
魑魅魍魎や百鬼夜行とは言うが、それらは何の意味も無い。妖怪達は己達の道理に生き、道理で死ぬ存在。それが元々人と交わらぬのも道理。
只、妖怪は姿を変え生き続けて居るのだ。山に住む鹿や猿と同じく、空を飛ぶ鳥達と同じく、その存在は悪しきモノでは無い。
それを悪しきモノをするは無論人間。
道理の合わぬモノを合わせ様とするから齟齬が起きてしまうのだ。
…さて、此処で一つ疑問。恐怖も無く、喧騒溢れ変化した日本。妖怪どもは何処に居るのだろうか?
それを探す私は随分滑稽な者なのかもしれない。
―――月刊誌:夜空の星 一節から抜粋。
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