息吹

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慌ただしく流れていく日々の中で、千秋は、自分の体の小さな変化に、気付いていた。 はぁ…。最近、すごく疲れやすい…。体のだるさが、ずっと、続いてる…。 病院行って、診てもらった方が、いいよね…。 最初に、体のことが、気になったのは、2月の終わり頃だ。季節柄、風邪なのだろうと、勝手に決め付けていた。 変だと、思い出したのは、3月の半ば…。 仕事の忙しさが、途切れると、どっと、疲れる。 この頃、外に出ての仕事が、多かったので、家に帰り着くと、何も出来ないくらいぐったりしていた。 見兼ねた速水が、家事を、切り回してくれる…自分だって、疲れてるはずなのに…。 いつまでも、彰に、迷惑掛けられないわ…。 「…あきっ、明日、外にいく仕事、あたし、入ってないよね?」 「ああ、ないぞ。…どうした?」 「うん…。やっぱり、調子悪いんだ…。病院行ってくる。」 「…ついて行こうか?」 「大丈夫だよ。それくらい、一人で、平気。」 翌日、診察してもらうために、近くの総合病院に、出掛けた。 目指す病院、実は、郁美が、以前、入院していた所だ。今の家からなら、歩いても、10分くらいで着く。 千秋は、朝から、体が重い感じがして、気が滅入っているから、気分転換に、歩いて行く。 「…ちょっと、混んでるかな。」 受付を済ませて、待っていると、名前を呼ばれた。 問診の後、血液検査と尿検査をしてもらった。 これで、大概の病気がわかるって聞いて、驚いてしまう。 再度、呼ばれて、診察室に入って、医師に、言われたことに、一瞬、頭が、ついていかなかった…。 「…今、なんておっしゃったんですか?」 医師は、ニッコリ笑って、 「おめでとうございます。と、言いました。」 と答える。 何故?…千秋の頭は、思考停止した…。 医師は続けて、検査の結果を話し出した。 「どちらの検査も、数値的に、正常範囲内におさまってますよ。 しいて言えば、尿検査のこの部分の数値が、若干高めですが、治療が、必要なものじゃありません。 規則正しい生活と、きちんとバランスのとれた食生活をしていれば、すぐ正常値になりますよ。 後、この数値が高い場合は、妊娠されているということですから、それで、おめでとうございます。と、言ったんですよ。」
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