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俺の目の前で母さんたちが泣いてる。何故だ?俺はこうしてあんたらの目の前な座ってるのに何故俺の名を呼ぶんだ?
なぁ、母さん…。
俺が母さんに向かって手を伸ばしたのと同時に隣から声がした。
「残念ですが、息子さんは…。」
――は?
「わかってます。わかってますよ。でも、何で息子なんですか?他の子は助かってるのに!」
――いや、意味わかんねぇよ。
「息子さんの場合、病院に運ばれるのが遅かったので。」
――俺の話してんのか?
母さんの肩に触れた途端視界が逆転した。ぐるぐると身体が回る。遊園地のジェットコースターよりも速いと思う。視界が物凄いスピードで変わっていく。
気持ち悪い。
俺が吐きそうになった時、今度はいきなり視界がクリアになる。
「………は?」
俺は目を疑った。家が小さく見える。俺は空を飛んでるんだ。鳥になった気分になり気持ちいいな。と思ったその時、身体中に物凄い衝撃がはしる。全身が痛い。俺は地面に叩きつけられたんだ。あの、ぐるぐるは急降下してたのか。と今更ながら実感する。
――死ぬ…。
「あなたは死んでますよ?」
頭上から透き通る声がした。
――何を…?
「だから、あなたは既に死んでます。詳しく言えば、今日の午後4時32分58秒に死にました。」
――こいつ、頭いかれてやがる。
俺の意識はそう思ったのと同時に途切れた。
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