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だって、そんな。
出来るわけない。
男同士が、二人で相合傘なんて。
おかしいだろ。
傘を開きながら、痛いくらいの裕二の視線に、心の中で言い訳をする。
ボン、と傘が勢いよく開くと、裕二がにこりと笑い、俺のすぐ後ろに視線を移した。
「この傘良かったら使いませんか?」
声を掛けたのは、40代くらいの女の人。
俺と同じように傘がなくて困っていたらしい。
裕二はそれに気付いてた。
多分、最初から。
裕二はお礼を何度も言って、女の人は帰って行った。
それを見送り、もう一度俺に笑顔を向ける。
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