149人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな、家庭環境の中でも当たり前だと馴染んでしまっている自分がいた。
母はとても厳しく、父は優しいイメージをまとっていた。
今のあたしには、母という存在自体の記憶が薄れてしまい、母の匂いすら忘れてしまっている。
想い返すのは、黄色いTシャツに地元のボートの名前が入っているロゴが入っている後ろ姿しか彼女は存在しないこと。
時に優しい表情を見せ、一緒にスーパーファミコンをして遊んでくれていること。
あたしが小学生の時に、そろばんの試験の度に、当日の朝にはとんかつを食べる習慣があったこと。
そんなこと位しか、今では思い出せない。
彼女がどんな生き方をしていたなんて、今でも分からない。
母は幸せだったのだろうか。
あたしは、存在して良かったのだろうかとも想う。
最初のコメントを投稿しよう!